住宅の新築に伴って、または建て替えるにあたって、住宅ローンを組む場合、建築確認済証の入手を行い、建築物の計画が法律に適合しているか確認する必要があります。また、金融機関側の目線では、土地建物の「担保としての評価」も併せて行います。土地の評価に影響するポイントの一つに接道状況がありますが、敷地と道路の関係で見落としてはならないのが「側溝」と「水路」です。状況によっては担保評価=融資額に大きな影響がでることがあります。
水路に接した敷地と接道条件
側溝と水路の違い
- 側溝部分は原則として道路区域に含まれます
- 水路は道路区域には含まれません
敷地の前に側溝や水路などをよく見かけます。単なる側溝であれば問題はありませんが、中には国などが所有する水路等の場合があります。
側溝の場合は暗渠(あんきょ)でも開渠(かいきょ)でも、道路の一部と見なされるため、接道上の問題は生じません。
しかし水路の場合は、敷地が道路に接しているとは見なされず、橋などをかけて接道要件を満たす必要があります。
*敷地と道路の間に水路がある場合、水路部分は道路区域には含まれないため、建築基準法上の道路ではないと自治体が判断すると、敷地は未接道状態となり、建築物を立てることができません。
*水路上に架け橋を設置し、市町村に占有許可を申請することによって、建物が建築できる場合があります。
水路の調査は公図から
水路の調査をするには、法務局備え付けの公図で確認します。
公図上で「水」と書かれているのは昔の水路で国有地です。管理は国土交通省。公図の上だけに存在するものですから、地番もなく、現状は周囲の宅地と一体化していることが多いです。
水路や農道は、建築基準法の適用がないので、そこにだけしか接道していなければ無道路地(再建築不可)の可能性が高くなります。現状、通り抜けできる状態になっていることが多く、見た目では判別できないこともあります。
水路の占有許可
水路など公共施設は、その使用について、いわゆる占用許可がないと接道していないことになります。接道面が水路になっている物件は、必ず確認する必要があります。
暗渠になっている場合は、占用許可をとらなくても建築できることもありますが、地域により異なるため、確認を要します。
また、橋を通じて道路に接することになるため、間口狭小物件となります。その点は担保評価面で減価されます。
フラット35なら適合証明検査で万全
フラット35を利用する場合、適合証明書の取得のために物件検査を行います。物件検査とは、融資対象となる住宅が、機構の定める技術基準に適合しているかどうかについて検査機関等が行う検査です。接道状況を含めた建築確認済証と合せて、適合している場合には「適合証明書」が交付されます。これに適合する住宅であれば融資条件面で特に制限されることはありません。
また、物件検査手数料や、水路占用許可申請手数料などの諸費用を融資額に含めることができます。