リバースモーゲージとは
モーゲージは不動産を担保とした借入という意味で、通常の住宅ローンのことです。ローン完済後は家が自分のものになります。
一方、リバースモーゲージはその逆で家を担保にして借入をし、借入した人が亡くなった時に家を売却してローンを完済する仕組みのことです。
リバースモーゲージには、社会福祉協議会(自治体)が行うものと金融機関(民間)が行うものがあります。
社会福祉協議会が行うものは所得の少ない高齢者世帯の生活支援を目的としており、低所得の方のみ利用可能で低利子ですが、保証人が必要、といった特徴があります。
一方、民間金融機関が行うものは原則保証人不要ですが、ある程度の収入が必要で、金融機関の営業エリア内に不動産があることが条件であること等、縛りがあります。
民間金融機関が運営するリバースモーゲージには「住宅金融支援機構と提携して貸付を行うもの」と「金融機関独自で行うもの」があります。
いずれの場合も家に住んだまま借入ができることが最大のメリットとなります。
- 社会福祉協議会・・・低所得者対象、保証人必要
- 金融機関・・・中高所得者対象、不動産所有条件あり、原則保証人不要
民間金融機関が運営するリバースモーゲージには「住宅金融支援機構と提携して貸付を行うもの」と「金融機関独自で行うもの」の2種類がある。
住宅金融支援機構と提携して貸付を行うリバースモーゲージ
この場合は、借入する資金の使い道が「本人が居住する住宅の建設または購入」「住宅のリフォーム」「住宅ローンの借換え」「サービス付き高齢者住宅の入居一時金」「子世帯などが居住する住宅の取得のため」の5つに限られます。特に気を付けたいのが生活資金等には使えないという点です。
- 本人が居住する住宅の建設または購入
- 住宅のリフォーム
- 住宅ローンの借換え
- サービス付き高齢者住宅の入居一時金
- 子世帯などが居住する住宅の取得のため
金融機関独自で行うリバースモーゲージ
この場合は資金の使い道は原則自由となっています。つまり、上記の5つの目的に加えて、生活費、車の購入、旅行など、老後の生活を豊かにする余裕資金としても利用できます。また、病気や介護で一時的にお金が必要になった場合などにも利用できます。ただし、事業性資金や金融商品購入については利用できないようになっています。
- 原則自由(生活費、車の購入、旅行などOK)
※事業性資金や金融商品購入等は利用不可
金融機関のリバースモーゲージ型住宅ローン商品は幅広い
金融機関独自で行っているリバースモーゲージにつきましては、社会福祉協議会や住宅金融支援機構が行っている仕組みをベースにして、その幅を広げて各金融機関が独自に商品化している住宅ローンです。そのため商品内容は各銀行によって結構異なります。
まず、ローンを利用できる人の年齢はほとんどの場合50歳から60歳以上ですが、中には20歳から利用可能な商品もあります。借入した時の一度だけではなく、極度額を決めて、その範囲内であれば何度でも借入ができる商品もあります。
金融機関の営業エリア内に担保となる不動産があることが条件のため都市部の商品が充実する傾向にあります。
リバースモーゲージを活用するシーン
リバースモーゲージに関しては前述の通り、金融機関から多数の商品が出ていますが、活用するシーンは主に2つです。一つは「住宅ローンの借換え」、二つ目が「住み替え」です。それぞれ紹介していきます。
リバースモーゲージの活用方法「住宅ローンの借換え」
既存の住宅ローンを完済する年齢が70歳以上の場合などには、定年後も返済が続くため老後の生活が厳しくなります。そのような場合、リバースモーゲージを利用して住宅ローンを借換えることが選択肢となります。生存中は利息だけの返済となりますので毎月の支払いは少なくなり家計に余裕が生まれます。配偶者を連帯債務者としていれば夫婦どちらも亡くなったときが家を手放すとなりますので安心です。
注意点としては、子供がその家に住み続けたり、家を相続する予定がある場合にはこの方法は適さないので家族内でよく話し合う事が大切です。
リバースモーゲージの活用方法「住み替え」
子供が巣立ったので一戸建てを手放し、夫婦でマンションに住み替えるような場合です。郊外の不便な自宅から都市部のマンションに移住することで有意義なセカンドライフを過ごせます。リバースモーゲージは担保となる不動産の評価をしてその半分の金額程度が借入額の上限となるため、物件によっては借入希望額に満たない場合もあります。
融資の条件とは
リバースモーゲージ型の住宅ローンでは、申込人に公的年金や給与等の安定的な収入があることが必要となります。そして、多くの金融機関では前年度年収400万円未満の場合は返済負担率30%以下、400万円以上の場合は返済負担率35%以下等の条件を設けています。
また、借入金額は担保となる不動産の評価額の50%から60%程度までとされており、かつ、融資額上限は5000万円以内等と定められています。また、住宅ローンであるような団信保険に加入することはできません。
- 安定的な収入がある
- 年収別の返済負担率がある
・前年度年収400万円未満の場合は返済負担率30%以下
・前年度年収400万円以上の場合は返済負担率35%以下 - 不動産評価額の50%~60%程度が上限
- 融資額の上限が5000万円
まとめ
リバースモーゲージは活用の仕方で非常に有効なものになります。毎月の住宅ローンの支払いを少なくしたい場合、病気や介護でお金が必要な場合、自宅をリフォームする場合、老後の生活にゆとりを持たせるために手元に余裕資金を残したい場合などに役に立ちます。
リスクとしては、利息が変動金利である事と、定期的に担保となる不動産の価値を評価しなおすために動向によっては途中で返済しなければならない場合が生じる事です。そのため評価額上限一杯で借入しないことが必要と思われます。
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