住宅ローンの借入限度額は、年収に対する返済負担の割合(返済負担率)によって決まります。金融機関は、無理なく返済できるかどうかをこの割合で判断します。その際、児童手当を年収として加算できるかどうかで、借入限度額に大きな違いがでてきます。
【フラット35】の場合、児童手当は「安定収入」として審査の対象とすることができますので、審査申込の際は、児童手当の受給権について、必ず申告するようにしましょう。また、【フラット35】には「子育てプラス」という制度があり、金利面でも優遇されます。
児童手当と住宅ローン
児童手当とは
児童手当は、子育て家庭の経済的負担を軽くするために支給される国の制度です。児童(0歳から18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子をいいます。)を養育している方を支給対象として、所得に応じて支給額が決まります。
児童手当の支給額(参考)
児童の年齢 | 月額 |
---|---|
3歳未満 | 15,000円 第3子以降 30,000円 |
3歳以上 高校生年代まで |
10,000円 第3子以降 30,000円 |
- 児童手当の所得制限
児童手当は、保護者の所得が一定額を超えると、支給額が減額される制度です。所得が制限額を超えると、月額5,000円の「特例給付」になります。
- 所得制限の判定方法
・対象は、児童手当の受給者の前年の所得
・所得制限額は、扶養親族の人数によって変動します
住宅ローン審査との関係
一般的な銀行の場合
銀行によっては、児童手当の受給証明を提出することで、生活状況の補足資料として扱われることもありますが、収入としてはカウントされないのが一般的です。児童手当は、一時的・補助的な性質のものであり、長期的な返済能力を判断するには不安定と見なされるためです。
【フラット35】の場合
【フラット35】の場合、児童手当の申告があれば、「安定収入」として審査の対象となります。児童手当を教育費や生活費に充てることで、住宅ローンの返済に余裕が生まれる可能性があること、子育て世帯向けの住宅取得支援とも連動するためです。
借入限度額の違い
• 児童手当は月額15,000円(3歳未満)または10,000円(3歳以上〜高校生年代)で支給されるため、仮にこれらの子供が二人いた場合は、審査上の年収金額は、年間で最大30万円程度の加算になります。 この場合、審査上の年収が増えることで、借入可能額が270万円程度増える可能性があります。
• 35年返済の場合の例
年収400万円→借入限度額 約3,570万
年収430万円 (児童手当加算:+30万円)→借入限度額3,840万円(+270万円)
(年収・金利・返済期間等により異なります)
自治体の支援制度もチェック
一部の自治体では、児童手当と連動した住宅取得支援(補助金や利子補給)を行っている場合があります。【フラット35】と連動して金利を優遇する場合もあるので、自治体の子育て支援情報も併せてチェックしておきましょう。
児童手当の年間収入としての加算方法
受給金額確認書類
- 自治体発行の書面
・児童手当認定通知書等
児童手当認定通知書等に記載の「手当月額」×12=手当年額を年収に加算できます。
・通知書が無い(紛失)場合
住民票に記載の子供の人数・年齢に応じた手当年額を年収に加算できます。
※児童手当認定通知書が提出できない場合は、受給権があること等の確認が必要ですので、先にお問合せ下さい。
※児童手当は「非課税所得」扱いのため、課税証明書には記載されません。
まとめ
◗ 児童手当は【フラット35】の返済原資として審査面に使えるだけではなく、家計の支えとして住宅取得を後押しする存在です。特に子育て世帯では、住宅購入のタイミングと重なることが多いため、意識しておきたいポイントです。
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