住宅ローンを利用して家を買いたい、でも何に注意してどのように借りればいいの?当相談センターに毎日寄せられる質問ですが、お客様の年齢・年収・家族構成、また取得したい家が一戸建てなのかマンションなのか、新築か中古か、それぞれ内容が異なり、理想的なプランニングも千差万別となります。
ここでは、ご結婚を機に住宅取得を検討されている20才代、将来的には子供も欲しいとお考えの新婚ご夫婦に最適な借り方をシミュレーションしてみます。
- 50年返済(フラット50)の利用が可能
- 将来の繰上返済を想定しましょう
- 子供がいなくても若年夫婦は「子育てプラス」で金利引下げが可能
20代・DINKSの例
年々増加しているDINKS(Double Income No Kids)とは、共働きで共に収入があり、子供は持たない選択をした夫婦を意味します。共に20代のご夫婦の場合、「子供は将来的には欲しい気持ちもあるけれど、今はまだ二人の生活を楽しみたい」、また「今後もどうせ家賃を払うなら、早いうちにマイホームを取得したい」というニーズが一般的です。
ご相談者の例
◗ 家族構成
夫:27才・会社員(勤続5年)
妻:25才・会社員(転職後6ヶ月)
※フラット35は転職後間もない方でも申込者本人・連帯債務者として申し込みが可能です
◗ 年収
夫:350万円(直近の源泉徴収票による金額)
妻:300万円(給与明細による割り戻し計算)
合計650万円
◗ 貯蓄
(世帯合計)250万円
◗ 物件価格
2DKマンション(長期優良住宅該当)
4,000万円+諸経費200万円=4,200万円
◗ 備考
・子供は今のところ予定なし(将来的には欲しい気持ちもある)
・親から300万円の資金援助あり
ご提案シミュレーション
▷ 適正借入額
3,750万円
・ご夫婦で収入合算:奥様が連帯債務者
・親からの資金援助分と貯蓄から150万円を頭金(自己資金)として充当
▷ ローンの種類
フラット50 (50年返済)
長期で返済することにより、月額返済額を抑えることができます。
▷ 融資率
3,750万円/4,200万円=89%
・融資率が9割を超えると、融資金利が0.11%アップ、またはフラット50を申込できない場合があります。融資率は9割以内になるように借入額を調整しましょう。
▷ 金利の例(全期間固定金利):適用金利は資金受取時の金利となります。
・融資率9割以下の例: 年1.92%(融資率9割以上の場合の例: 年2.030%)
ボーナス払い無し・元利均等返済
※ 当初5年間 1.00%金利引下げ(長期優良住宅+S省エネ+子育てプラス)有り
▷ 毎月返済額
・当初5年間 7.8万円(6年目以降9.6万円)
▷ 総返済負担率
・返済月額9.6万円÷合計年収650万円=14.8%
20代・DINKSの場合のアドバイス
- 長期優良住宅で、30才以下の方であれば80才を完済年齢とする50年のローンを組むことができます(フラット50)。
- 金利引下げ制度の「子育てプラス」は、子供がいない若年夫婦も利用可能です。また、胎児も対象になります。
- 余裕ができ次第繰り上げ返済をしてゆくという意識を継続し、返済の期間短縮を図っていきましょう。
- 若いうちは団信加入にも問題ないことが多いですが、余分な金利を上げてまでの厚い保証の団信は必要ないかもしれません。病気リスクが増える40代以降に別途必要な保障に対する保険に加入するという対策も有効です。
- 団信はあくまでも住宅ローンだけの対応です。万一の際のご家族の生活を守るための保険も併せて考えましょう。
- 長期優良住宅はローン控除もフル活用できます。
- 返済比率には余裕がありますが、消費意欲が高い世代ですので、夫婦共にマイカーローンやクレジット分割払い等の支払いを抱えていることが多いです。このような返済額の加算があると、融資限度に大きな影響を与えます。世帯の収支等を一度立ち止まって見直すには、「事前審査」を受けてみることがとても重要です。